公開日: 2025.08.04

相続人と相続分について

遺言・相続

1 相続人の種類と順位

ある方が亡くなられた場合、この亡くなられた方を「被相続人」といいます。
相続は、被相続人が死亡した時に発生しますが、誰がどのような優先順位で相続人となるのか法律で定められています。それ以外の人は、被相続人とどんなに親しい間柄であったとしても相続人となることはできません。
相続人となるのは、血族相続人と配偶者相続人です。ただし、血族相続人については、血族相続人に当たる全ての人が相続人となれるわけではなく、相続人となることができる優先順位が決まっています。

2 血族相続人

(1) 子

第1順位の血族相続人は、被相続人の子です。子が複数いる場合には、全ての子が同順位の相続人となります。
子は、男であるか女であるか、実子であるか養子であるか、嫡出子であるか嫡出でない子であるか、普通養子か特別養子かを問いません。

(2) 直系尊属

第2順位の血族相続人は、被相続人の直系尊属です。例えば、父母、祖父母が直系尊属に当たります。
直系尊属が相続人となるのは、①第1順位の血族相続人である子及びその代襲相続人がいない場合、②これらの人々がいても、その人たち全てが相続人の欠格事由の規定に該当するか廃除されたため相続権を失った場合、③これらの人々全てが相続放棄をした場合です。

(3) 兄弟姉妹

第3順位の血族相続人は、被相続人の兄弟姉妹です。
兄弟姉妹が相続人となるのは、①第1順位の血族相続人である子及びその代襲相続人、第2順位の血族相続人である直系尊属がいない場合、②これらの人々がいても、その人たち全てが相続人の欠格事由の規定に該当するか廃除されたため相続権を失った場合、③これらの人々全てが相続放棄をした場合です。

3 配偶者相続人

配偶者は常に相続人となります。「常に」とは、血族相続人がいるならばその者と同順位の相続人として共同して、血族相続人がいなければ単独で、相続人となることを意味します。
「配偶者」は被相続人と婚姻の届出をした配偶者、いわゆる法律婚の相手方に限ります。内縁や事実婚の相手方は相続人になることができません。

4 代襲相続

代襲相続とは、相続人(被代襲者ともいいます)が相続開始以前に死亡したとき、あるいは相続人の欠格事由の規定に当たり、又は、廃除によってその相続権を失ったときは、相続人の子が相続人に代わって相続することをいいます。
被代襲者は、被相続人の子又は兄弟姉妹のみです。直系尊属と配偶者には代襲相続が認められません。

5 法定相続分

配偶者相続人がいない場合は、同順位の血族相続人がそれぞれ等しい割合で相続することになります。
配偶者相続人がいる場合は、下記表のとおりとなります。

組み合わせ 法定相続分
配偶者相続人 血族相続人
配偶者と子 1/2 1/2
配偶者と直系尊属 2/3 1/3
配偶者と兄弟姉妹 3/4 1/4

 

6 最後に

以上が法律で定められた相続人の範囲と相続分となります。
よくあるご相談としては、「配偶者や子以外の方に財産を残してあげたい」「法定相続分を超えて相続させたい」というものがあります。そのような場合には、遺言書を作成し希望(意思)を遺しておくことで、意思どおりの承継を実現させることができます。ただし、遺留分(こちらのコラムをご参照ください)にはご注意ください。
相続でお困りの際は、ぜひお早めにご相談ください。

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